英語を話せるようになるために聞き取り能力が重要なのはもちろんですが、そのアプローチだけだと限界があると私は思ってます。
また文法を考えながらその場で完全オリジナルな英会話文を作るのも、先々を考えたら無理だと考えてます。正直、会話のラリー中にそんなことしてる暇ないです。
まとめると、以下の2点になります。
- 聞き取り能力は確かに重要。でも完璧に近いところを目指すのは無理。だからある程度やったら一旦リスニングの向上は手放す。
- 自分の頭の中で(自力で)英語で話したいことを組み立て話すという行為を手放す。
私も長年英語の勉強をしていましたが、聞き取りも会話力も全く向上せず、ずっと停滞している時期がありました。でもある段階から一旦その考え方を手放し、別の方法を取ることで意外とスムーズに物事が進むことが分かりました。
ではここまでを踏まえて「じゃあどういったアプローチで英語を勉強していくと良いのか」を私の体験を元に説明していこうと思います。
※補足:この記事で述べられているのはあくまでブログ著者の主観に基づくものであり、全ての人に当てはまるかどうかは分かりません。1つの参考としてお読みいただければ幸いです。
英語の聞き取り(リスニング)をある程度のところで一旦手放す
まずやること:英語の聞き取り(リスニング)をある程度のところで一旦手放す
英会話の半分ぐらいはなんとか聞き取れる、もしくは3分の1しか聞き取れずそこから伸び悩んでるとします。
ここから先を目指そうとすると絶望します。なにせ果てしないですから。
超ナチュラルなハイスピード英語を話す人に出会ってしまったり、”映画”の聞き取りをしようとして
「うわっなんだコレ、やっぱ聞き取れないじゃん」
ってなり自信を失くし、もう無理!となって・・・
そういった繰り返しでモチベが崩れていく人って結構居るんじゃないかなって思ってます。
そのまま一喜一憂しながらそれでもなおリスニングを続けていくことも人によってはアリかもしれません。でも聞き取りって感覚的な領域なので、どこかで区切りをつけないと終わりが見えなくなります。
聞き取れない部分はあってもそこに固執せず、ある程度までいったら一旦手放し、違うパラメーター能力をレベルUPさせるのも1つの手です。(英語は総合力も大事だからです)
もちろん今までやってきたことは無駄ではありません。完全に放棄するわけでもありません。一旦離れて様子見というイメージ、つまり戦略的撤退ということです。
自力で英会話文を頭の中で作り出すことを手放す
もうひとつ手放すと良いもの、それは英会話文を頭の中で自力で作り出すこと、です
英語で会話しようとして、必死に頭の中で会話文を組み立て作り出そうとする行為から一旦手を引きます。
相手から投げかけられたボールに対して数学のように計算し、会話構造(文法から何から)を組み立てて投げ返す、それってそもそも会話のキャッチボールとして破綻してると思います。
会話している最中は正直そんなことしてる暇ないです。それだったらまだジャスチャーの方が救いがあります。
数学の天才みたいに瞬時に答えが導きだせて答えを言える人は別ですよ?でもそんなの一握りじゃないでしょうか?
試行錯誤して話そうとすることが全てダメと言ってるわけではありません。
会話は相手があってこそなので、相手の忍耐力も考慮する必要があるということです。
会話の一つ一つに何十秒もかけてしまうのは話せてるとは言えないと思います。
だから英会話をするときはその場で会話文を1から作り出そうとする考えは一旦手放しましょう。
ではどのような方法を取れば、この問題が解消できるのでしょうか。
英語フレーズを丸暗記することで即座に言えるようにする
いままで、以下の2点を説明してきました。
- 英語の聞き取り(リスニング)をある程度のところで一旦手放す
- 英会話文を頭の中で(自力で)作り出すことを一旦手放す
ではここからが本番です。
じゃあこれらを手放してどうするのか?
「英語フレーズをとことん丸暗記」します。
要するに、英会話文を作りだすのではなく、丸暗記したフレーズ(すでに用意されたモノ)を会話の中で使うということです。
丸暗記、というところが重要です。なぜか?
それは英語を使う相手がこちらに話しかけてきたとき、その都度頭で英文を作ってたら間に合いませんが、丸暗記であればパッと内容が出てくるからです。すでに用意されたモノなのですぐ会話が可能です。
※ロボットのようなありきたりな返答しかできないのではないかと疑問を感じる人も居るかもしれません。また自分の中にあるストック以外のものがきてしまったらどう答えるの?って思うかもしれません。これに関しては追々説明します。
では具体的に説明します。
まず初めにやること、それは必要最低限の会話フレーズをまずは覚えることです。
必要最低限の会話フレーズとは、
✔【質問フレーズ】と、✔【想定される返しフレーズ】です。
必要最低限「質問するための英語フレーズ」を丸暗記する
具体的にどう丸暗記するのか、それはその人の英語レベルにもよりますが、まずは日常生活において必要最低限必要となる英語フレーズを覚えるのが重要です。
そしてその中でも、
会話が会話として成立するための「質問英語フレーズのストックを増やすこと」がとっても重要です。
普段日本語で会話するとき、お互いに何も質問しないでする会話ってありますか?ほぼないですよね?お互いに質問しあってこそ、相手の感情を読み取りつつ意見交換ができるはずです。日常生活の他にもビジネスだって、接客だってそのはずです。
そういった質問するための英語フレーズが自分の脳内に蓄えられていないのであれば、普通に考えて会話は膨らまないし、必要な情報も相手から聞くことはできないと思ってください。
なにも最初から難しい質問のフレーズを覚える必要はないんです。必要最低限の質問フレーズをまずは覚えることです。
例えば、
- 「~してくれませんか?」
- 「~していいですか?」
- 「大丈夫ですか?」「問題ないですか?」
- 「どう思いますか?」
- 「どうしたらいいですか?」「何をすべきですか?」
- 「~しなくてはいけませんか?」「~したほうがいいですか?」
- 「~はいかがですか?」「~したいですか?」
- 「~と~のどちらがいいですか?」
- 「これって何ていうんですか?」
- 「ちょっと待ってくれませんか?」
- 「なぜ~なんですか?」
- 「ちょっと今よろしいですか?」
これらの言い方って知らないとものすごく不便ですよね。必要最低限知っておかなくてはいけない言い方だと思います。知らないなら丸暗記してすぐに言えるように特訓しましょう。
上記の「~」の部分は自分で好きにアレンジすればOKです。
まずはこれを言えないとお話しにならないよね、っていう言い方を自分でリストでもなんでも作ってガッツリ暗記しましょう。
★気を付けてほしい重要なこと
➡できるだけ英語圏の人が使う言い方で覚えることです。日本語的感覚で作ったフレーズはやめておいた方が安全です。また日常会話だけでなく、ビジネスや接客なども使うのであれば「カジュアルな言い方」と「フォーマルな言い方」はどちらも覚えておいた方が後々楽です。
必要最低限「質問に返答するための英語フレーズ」を丸暗記する
次は「質問に返答するための英語フレーズ」を丸暗記します。
こういう質問きたらこう返すという想定フレーズを作っておきそのストックを徐々に増やしていきます。まずは必要最低限のものを自分で考えてみて下さい。※これも前章と同じでできるだけ英語圏の人が使う言い方で覚えること
例えば
- いいですよ OKですよ わかりました 大丈夫です
- そうですね そう思います
- いいえ違います そうじゃないです ちょっと分からないですね
- もちろんです
- 残念ですができないです
- 私はこっちのほうがよいです
- 知らないです
普段使ってる日本語の会話でもう一度振り返ってみて下さい。家族でも友達でも同僚でも、会話するとき自分から発した言葉を思い返してみて下さい。どんな言葉を主に使ってますか?
それをとりあえずは言えるようにしてみませんか。
必要最低限「行動の起点となる動詞フレーズ」を丸暗記する
動詞が分からないとそこでどんな行動が発生するのか不明となり、相手に大事な情報が伝わりません。動詞は行動の起点となる要素です。英会話でも勿論、この部分が破綻してると会話が成立しません。
例えば、
- 借りる
- 貸す
- 返す
- 取る
- 持っていく
- 言う
- 書く
- 見る
- 出す
- 聞く
- 伝える 教える
- 受け取る
- あげる 与える
- 送る
- 買う 売る
- 探す
- 頼む
- 待つ
- 助ける
- 調べる
- 教える
必要最低限これを言えないと困りますよね。(↑のリストにある)日本語で”「伝える」”ってどういう意味ですか?ってならないですよね。日本語で会話していて”「伝える」”って言葉が出てこないってあり得ますか?・・・そうやって絞っていきましょう。
重要なのは何度も言ってますが「動詞」だけを丸暗記するのではなく、フレーズとして丸暗記することです。こんな場面でこんな感じで普段使うよなってイメージでフレーズを覚えます。
「動詞」だけで丸暗記しても会話中に自分で内容を組み立てるのははっきりいって遅いからです。ある程度想定したフレーズを作るというのはそういった意味です。パッと口をついて言えなくては相手も大変です。
自分が居る環境で使いそうな英語フレーズを丸暗記する
私なんかはホテルに勤めていたので海外からきたお客様に対処する際の英語フレーズを丸暗記しました。
想定される場面で使う英語フレーズ、単語などを丸暗記してました。言われてから文章作ってたらまず返答として間に合わないので「おそらくこう言ってくるだろう」というのを想定して英語フレーズをあらかじめ作って置きそれを丸暗記してました。
少しづつストックを増やしていくことでレベルもアップします。ある程度「型(パターン)」が確立できてきたら、その英語に何か付け加えるか、逆に言い方を崩して使うかなどすればバリエーションも増えます。
私は留学経験もないし、英語圏に住んだことも有りません。なのでパッと口をついて英語で説明するには「想定した英語フレーズを丸暗記する」必要があったんです。
もちろん初めはフレーズを頭から終わりまできっちりいうのは難しかったです。でも以外と最後まで言えなくても伝わる場合もあります。多少の誤差があってもくじけずに頑張りましょう。
※前章で必要最低限の英語フレーズを覚えるという話をしましたが、もしそれがあまりに漠然としていて取っつき難いという場合は、自分の置かれた環境で使う英語を厳選して覚えていった方が良い場合もあります。要するに【置かれた環境で咲く】ということです。テスト範囲がココからココまでなら、ココからココまでを覚えて良い点取ろうよって戦略ですね。
型を作りそこから先は肉付けしていく
自分の中での確固たる&揺るぎない必要最低限フレーズを丸暗記できたなら、例え会話レベルは低くても必要最低限の英語での返しはすぐさま頭に思いつくようになったのではないかと思います(だって丸暗記ですから)。
毎回言ってるフレーズも慣れが生まれます。そこがある意味チャンスです。なぜか?それは散々話してきたフレーズなのでちょっとばかし崩しても、または肉付けしてアレンジしてもそこまで苦になりにくくなってきているからです。
自分で覚えたフレーズに別の表現を組み合わせてみるとか、もしくはフレーズの頭に「それでは」「次に」「つまりは」といったクッション言葉をいれみてもいいかもしれません。
さらにいうなら「形容詞」「副詞」などをつけてもっとアレンジしてもいいかもしれません。
ここから先は自分の話せる範囲で少しづつ【自分語録】をつくっていきましょう。※大事なのはパッといえることです。
またこの段階にきたら文法的なモノもそれなりに見直しましょう。明らかに自分がおかしいことを言っていないかそれはさすがに振り返ることも必要です。少しずつ調整していくイメージです。※どっぷり文法にはまらないほうが良いです。
英語フレーズを覚えていくことの副次的効果
個人的に思うのは「聞き取れるから話せる」も確かにそうなんですが、「話せるから聞き取れるようになってくる」というのも大いに有るんじゃないか、ということです。
英語フレーズのストックが増えてくる➡言葉として発声できるようになると、相手が同じフレーズに近い言葉を発してきたとき、なんとなく察することができます。自分が話せるんだから相手が話してるのも聞き取れるっていう感覚です。
また丸暗記とはいえ、何度も何度もその英語フレーズを相手に向けて発していると、言葉の配置やどこを強調するかのニュアンスを掴めるようになってきます。またこういったスピーキングは発音自体も向上させます。
私もよくあるんですがせっかく覚えたフレーズを相手に伝えようとしても、発音が悪いのか聞き返されるときが沢山あります。言いたいことはもう決まっているのでなんとか伝えようと、翻訳サイトなどでそのフレーズの発音をパソコンにネイティブ発声してもらい、それを真似て、もう一度現場で試してとしていくうちに磨かれました。(今は便利な世の中になりました。)
で、それをやっていると自然に聞き取り能力もあがります。
英語フレーズを覚える➡相手に試す➡相手が聞き取れない➡もう一度発音を見直すためリスニングする➡相手に試す➡成功
要するにリスニングのためのリスニングではなくて、相手に上手く伝えたいという欲求からくるリスニングです。スピーキングのためのリスニングですね。
他にも、覚えたフレーズを相手に投げかけ、その反応が良いと嬉しくなり、より相手の言葉に耳を傾けるようになり、それがすごく集中した状態のリスニングを生み出すことも私の場合はありました。
これが私が思う。「英語フレーズを覚えていくことの副次的効果」となります。
赤ちゃんだって最初は自分の意志をうまく伝えられないけど、年数を重ねて間違えながらも言葉を覚えていくでしょう。そんな感覚ですね。
確かに丸暗記だと上手くニュアンスを伝えられないときもある
自分の中の英語フレーズストックが増えてきたとしても、全てそれで会話ができるわけではありません。
つまりはテスト範囲を一生懸命勉強してそのテストは良い点とれるけど、その範囲外のモノがきたら全く答えられないぁ可能性があるということです。
残念ですがこればっかりはそのとおり、というしかありません。万能ではありません。
そこはもう経験だと思います。ここから先はどれだけ自分が英語に触れてきたか、多種多様な英語に出会っていくかによると思います。
でも日本語だってそうだと思います。小さい子供の頃は語彙が少ないけど大人になれば色んな言葉を駆使できるようになるでしょう。それと同じです。魔法のように全てを理解できるようになるというのは厳しいと思います。
答えられなかったら、じゃあそのときなんて英語で言えば良かったんだと反省して、また新たなフレーズを覚えることです。
言えるフレーズが増えてくれば、仮に分からない返答に出会ったとき、自分の頭に吸収した数々のフレーズパズルを駆使してなんとか切り抜けることもできるかもしれないということです。そのために日々ストック(使えるレパートリー)を沢山蓄えていきましょう。
先が見えない問題には【TOEIC】
言語を覚えるって到達点が見えないですから、漠然と勉強していると途中でモチベーションが落ちるときが必ず来ます。だったら無理やり目標をつくることです。そんなときお勧めなのがTOEICです。
正直TOEICで点数を取ったからといって英語が話せるわけではありません。でも英語独学をやめる癖がある人にはなんでもいいから英語に触れることができてかつ目標点数を設定できるモノがあったほうが結果的に継続できます。
自分の英語学習とTOEICの勉強と、時間に余裕があるのなら平行してやっていくのもおすすめです。ビジネス英語を頻繁に使う人にもTOEICを受けることは結構利点になると思います。
今回のお話はココまで。皆さんの検討を祈ります。