ビジネスホテル(主に夜勤)で7年以上働いていた私が、実際に使用していた接客英語をまとめています。
今回は「ホテルフロントの接客側が、チェックインの時に使う英会話のやりとり」を紹介。そしてできるだけ”現場に則した形”で記載しています。
チェックインは主にこちら側が主導。なので、話す英語は多くて厄介。とはいえパターンをあらかじめ暗記しておけばそこまで難しいモノでもないです。
骨組みをまずは頭に叩き込む・・・まずはそこから。派生する他のフレーズはあとから肉付けして徐々に覚えていけばいいんです。今回タイトルも”初心者向け”にしています。基本がとても重要だからです。
では早速その骨組みを、実際に現場で使用している私の英会話文を元に説明していきます。
同じホテル業で仕事をしている方で「まだまだ英語は勉強中だ」という方はぜひお役立て下さい。
【英語での接客】ホテルのチェックイン手順初心者向けガイド
難しい単語とか言い回しよりも、「シンプルで自分にとっても相手にとっても分かりやすい」が一番です。まずはそこを抑えていきましょう。
実際のチェックイン(本手続き)前にお客様へ軽めの確認を行う
お客様がフロント(自分の目の前)に来たら、まずは
【フロント】Good afternoon sir, are you checking in ?
こんにちは、チェックインでございますか?
「checking in」の発音部分は音を繋げるイメージで。「checkingin」←これをそのまま読む感じ。カタカナで無理やり言えば「チェックイングゥイン」。
またsirは男性、女性はma’am(マム)。
もし言いづらければ最悪つけなくてもいいかなとも思います。ただ付けるとより敬意が伝わります。※ちなみにma’amのマとムの間の音「エ」は、アとエの中間音みたいな感じで出します。
check “Sir” と “ma’am” は元々目上の人に向けた言葉とされていますが、主に成人女性に使われる “ma’am” は、言われた側にとって不快に感じることもあります。そのため、逆に付けなくても良い場合もあります。単に “Good afternoon” という挨拶でも十分です。
【お客様】I’d like to check in. /Check in, OK?
チェックインしたいのですが。
【フロント】Sure. May I have your name?
かしこまりました。お名前よろしいですか?
「人に何かをしてもらう」に”have”が使えます。名前をもらってよいか頼んでるわけです。それに”May I”をつけて全体的に丁寧な言い方となっています。
実際の現場だと、今回のように予約NOを聞くよりも、先に名前を聞くことのほうが多いですね。もし名前を照合して「ん、予約画面にお客様の名前が無いぞ」ってなったらそのとき予約NOを聞く。なので、まずは名前を聞く英語フレーズをしっかり覚えましょう。
宿泊内容の確認を行う
次に予約内容の確認を行います。
ココが難しいという人はひとまず後回しにして下さい。英語がホント苦手な場合、ここのフレーズの暗記で時間食って立ち止まり過ぎちゃうから。そういう人は先に次の章へ行きましょう。
【フロント】Your reservation is for a single room for two nights with breakfast included, is that correct?
予約はシングルルーム、2泊、ご朝食付きで頂いております。よろしいでしょうか?
別の例をもう1件紹介。もし仮に”シングルルームが2部屋で3泊”なら、
「for two single rooms」で「for three nights」です。複数部屋だとroomsになるので語尾にsを付けるのを忘れずに。
✔追記
- 1泊(単泊)になるとどうなるか? ➡ one night ※語尾のsはなくなります。
- また「素泊まり」だったら? ➡ 「without meals」とします。
車で来たかどうか聞く/駐車料金を伝える
【フロント】Did you drive here today ? / Where did you park your car ?
お車でお越しですか?/お車はどちらにお停めしていますか?
「英語」以前の話ですが、車の有り無しは早めに聞いておいたほうが良いです。忘れちゃうんで。※また海外の方は駐車場の予約の仕方など分からず(日本語が分からないため)、空いてるスペースに知らずに停めてしまう場合もあるので、注意です。
【フロント】If you use our hotel’s parking lot, it’s ¥○○○○ per night. Is that okay with you?
当ホテルの駐車場をご利用の場合は1泊○○円となります。よろしいですか?
「per」は「~につき」となります。よって「per night」で「1泊につき」となります。
また「 Is that okay with you?」で「よろしいですか?」と聞いています。この表現はいろんな場面で使えるのでめっちゃ便利。ここでしっかり覚えておきましょう。Is that okay ?に「with you」(あなたにとって)を添えているので丁寧にお伺いをしています。
パスポートの確認とコピー
【フロント】May I see your passport, please ?
パスポートを見せていただけませんか?
パスポートを確認し、ご予約のお名前を照らし合わせましょう。
【フロント】Passports are required for everyone. Could I also have passports for others, please?
全員のパスポートが必要です。他の方のパスポートもお持ちいただけますか?
ホテルあるあるですが、たまに予約者のみのパスポート提示で良いと思ってしまっている方もいらっしゃるので、人数分もれなく確認できるようしっかり伝えましょう。
「needed」よりも「required」を使った方がビジネス的には無難です。
【フロント】May I copy it ?
コピーしてもよろしいでしょうか?
海外からくるお客様のホテル手続きとしてコピーも必要となります。この表現も覚えておきましょう。
また、何も言わずにコピー機まで行ってその場を離れるのも何か憚れるので下記の言葉も付け足しときましょう。この表現はいろんな場面で使えるので一括りで覚えちゃいましょう。
コピーを取りに行く前に一言 ➡ Could you please wait for a moment ?
少々お持ちください。
コピーするのに時間がかかり、お待たせした場合↓
Thank you for waiting.
お待たせいたしました。
最後に↓
パスポートを返しながら ➡ Here you are.
はいどうぞ。
何かモノをお客様に渡す時に、使える表現です。
予約カードに記入してもらう
【フロント】予約カードを見せながら ➡ Could you fill out this form ?
こちらにご記入いただけますか?
「fill out」でも 「fill in」でもいけます。「fill out」 は全体的に項目を埋めてほしいとき、「fill in」は一部の記入、的なニュアンスになります。
※ちなみにホテルにもよりますが、なにか書面に同意するモノがあり、読んでもらった後にサインが欲しい場合の言い方は、
【フロント】Could you please read this and sign here if you agree?
こちらを読んで頂き、よろしければご署名をお願いいたします。
指で示しながら言うとよいですね。
領収書はご必要ですか?
【フロント】Would you like a receipt ?
領収書はご必要ですか?
※私事ですが、初めの頃「領収書はご必要ですか?」の英語はよく「Do you need ~」で聞いていました。ですが、本場の人は「Would you like~」を好みます。なのでこちらを覚えます。※ビジネスシーンではneedよりもWould you likeで。
✔ receiptは領収書のことです。
次は宛名の確認です。
【フロント】What name would you like on the receipt ?
お宛名はいかがいたしますか?
【お客様】May I have a receipt addressed to ○○○○?
○○○○(会社名)宛の領収書をいただけますか?
この場合の動詞「address」は「~宛てに出す」といった意味合いになります。
【フロント】So,・・Could you please write down the company name here?
それでは、お会社名をこちらに書いて頂けますでしょうか?
話し言葉の最初でよく使われる「So」ですが、話を引き付けてその後に何か要求や説明を言う際などに使えます。つなぎ言葉みたいな感じですね。
「write down」 で「書き留める」といった意味合いになります。
会計をする
【フロント】Please note (that) rooms must be paid for in advance.
宿泊代金は前払いとなっています、ご了承ください。
「Please note that S(主語)+V(動詞)」は「SがVであることをご了承ください」のようなニュアンス。
【フロント】電卓で金額を見せつつ ➡ Here is your bill.
こちらがお支払額になります。
おそらくビジネスホテルだと“電卓に金額を手入力してお客様に見せる”ことが多いんじゃないでしょうか?
それに、あまり皆の居る前で金額自体を読上げるのはあまり好ましくないと思うので上記の英語のようにシンプルに伝えると良いと思います。
【フロント】Would you like to pay by cash or card?
お支払は現金でしょうか?カードでしょうか?
一応書きましたが、結構な割合でお客様の方から「現金で」とか「カードで」とか言ってくれます。なのでこちらからわざわざ言う必要がない場合が多いですね。
会計をする ➡クレジットカード支払いの場合
【お客様】【お客様】I will pay by card.
カードで支払います。
ここでお客様から直接クレジットカードを受け渡されたら「Thank you」といって機器に差し込んで金額を入力すればよいし、お客様が自分で差し込むようなら「Just moment」と言って金額を入力すればよし。
【フロント】Please input your PIN.
暗証番号を入力してください。
PIN = Personal Identification Number
【フロント】Here is your receipt.
こちらお客様の控えです。
カードで精算するとレシートがシューって出てきますよね。それを渡しながら上記のように言います。
カード払いで本人のサインが必要なとき
【フロント】Could you sign here, please?
こちらにサインを頂けますか?
暗証番号ではなくサインの場合もあります。このフレーズで。
会計をする ➡現金支払いの場合
【お客様】I will pay by cash.
現金で支払います。
【フロント】(お客様から現金を渡されたら)➡ Thank you.
ありがとう。
お客様から現金を渡されたら無難に「サンキュー」でOKです。「お預かりします」的な言葉を英語で言おうとすれば言えそうですがそれも全部「サンキュー」でいいです正直。※律儀すぎるよりシンプルに笑顔で”ありがとう”の方が楽だし良いと思います。
【フロント】(電卓で金額を見せつつ) ➡ Here is your change.
おつりはこちらです。
「change」で「おつり」の意味です。
✔ もう少し詳しく幾らのお返しなのか言いたいときは、
¥500 is your change で「500円のお釣りです」となります。
ホテルの館内案内をする
最後に館内案内をしてお客様をお部屋に送り出します。
【お部屋の場所のご案内】
【フロント】Your room is on the 4th Floor.
お部屋は4Fでございます。
この構文は色々と使えます。Your roomのところを別の場所に置き換えるとそれがどこの階にあるのか話すことができます。(例)「The restroom is on the second Floor.」
※ちなみに「この階にあります」と言いたいとき、つまり今居る階にあることを伝えたいときは「on this Floor」です。
他にホテルの設備でありそうな名称を列挙しておきます。説明するとき置き換えてみましょう。
- vending machine 自動販売機 「Vending machines are ~」
- Laundromat 日本でいうところのコインランドリー
- コインランドリー[coin laundry] という言い方は、は和製英語のようなんですね。私も最初は知りませんでした。正しくは「Laundromat」(アメリカでよく使われる)かもしくは「Launderette」(イギリスでよく使われる)を使います。※とはいえコインランドリーで理解してくれるならばそれでもいいでしょう。
- Dryer 乾燥機 ※machineはつけなくてOK
- Washing machine 洗濯機 「The washing machine and dryer are ~」
- Ice maker 製氷機
- Large public bath 大浴場
- Smoking Area 喫煙所
【カードキーのご案内】
ホテルによって”シリンダーキー”と”カードキー”の違いがあると思います。
カードキーを使うホテルなどではセキュリティのため、エレベーター内に制御センサーがある場合があります。そこにカードキーをかざすことで自分の階に行けるわけですね。そんなときに使うフレーズです。↓
【フロント】Please pass your keycard over the sensor in the elevator..
エレベーターの中のセンサーにあなたのカードキーをおかざし下さい。
【ご朝食のご案内】
【フロント】This is the breakfast voucher. Breakfast will be served from 7 to 10 on the 3rd floor.
こちらがご朝食券です。ご朝食は3Fで7:00から10:00まで提供しております。
【大浴場のご案内】
【フロント】The large public bath is open from 3:00 pm to 10:00 pm.
大浴場は午後3時から午後10時まで営業しております。
時間の言い方は「スリー ピーエム…テン ピーエム」で大丈夫です。
【チェックアウト時間のご案内】
【フロント】Check out is at 10:00 am.
チェックアウトは10時になります。
【締めの挨拶】
【フロント】Enjoy your stay !
ごゆっくりお過ごしください。
余裕があれば言ってみましょう。
【ホテルの英語チェックイン】その場で分からなければ翻訳ツールどんどん使ってみよう
今やスマホにしろ、パソコンにしろ、どの翻訳機能を見ても優秀です。Googleで「翻訳」と検索し、そこに入力すれば結構な精度で訳してくれます。
立ち止まってシドロモドロするくらいならお客様の前だってどんどん使っていいんじゃないかなって思います。まあそのホテルの方針にもよるので全てとは言い切れませんが・・・。
完璧は正直無理です。ホテル業務におけるセオリーを理解したらそれに沿った英語を自分なりに編み出していきましょう。私から言えるポイントは以下です。
- まずは最低限覚える超基本フレーズを頭に叩き込む
- よく聞かれる質問フレーズをピックアップし暗記する
- ホテル館内における設備名称の英単語を抑えておく
この3つをまずは中心に攻めていきましょう。この骨組みができたら後はそこに色々と肉付けしていけばいいんです。
では!長くなりましたが今回はここまで!読んでくれてありがとうございました!!
★下記の記事も参考にどうぞ!
✔ホテルフロントのための英語記事まとめは下記リンクから