簿記2級は本当に難しい試験なのか?合格体験者が感じた難易度とその理由を徹底解説

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難しさの尺度
  • 簿記2級は難しいのかな?
  • せっかく勉強しても試験に受からなければ損だし・・
  • 簿記2級を実際に受験した人の意見(受験対策等)を聞いてみたい

これから簿記2級の勉強を始めようか迷っている人は、まずその資格の取得が「難しいかどうか」が気になるところですよね。なぜなら独学で勉強するからにはそれ相応のまとまった時間を消費するから。

時間を無駄にしたくない気持ち、すごく分かります。というわけで今回は実際に2度試験を受けたこのブログ著者の「難しいかどうか」の直感的感想と、個人的な分析について述べていきます。

この記事のポイント
  • 著者の受験経験から見る簿記2級の難しさ
  • むしろ自分から難しくしてないか
  • 何かを捨て、できるところで勝負するという選択
プッキー
プッキー

難しそうに感じる・・では実際どうなのか?を解消しましょう。

※このブログを書いてる人は簿記2級を2度受験して合格しています。

合格経緯

別記事でもう少し詳しく簿記2級受験の経歴を載せてます。≫私の合格体験と勉強方法

ネット界隈で言われている「簿記2級は難しい」の真相を読み解く

簿記は難しい

一般的に簿記2級はどのように難しいといわれているのか?少し掘り下げていきます。

よく見かける簿記2級の難しい理由

簿記2級が難しいと言われる所以によく以下のモノが出てきます。

よく見かける「簿記2級」が難しいといわれる理由
  • そもそもの合格率が低い(=勉学としてのレベルが高い)
  • 専門用語が多い(3級に比べてさらに突っ込まれる)
  • 元々1級の内容だった連結会計などが加わっている
  • 工業簿記という一般人にとって生活に馴染のない分野の勉強(=苦行)

これに関しては私も最初は「うんうん、そうだよね」って思いました。でも実際に勉強してみて思ったのは真っ向から勝負するというより戦略を決めて進めていけば点数を稼げるといった点です。

これは後の章で説明します。

合格率は低い(難しい)けど逆にそれは「価値」ともいえる

下記は最近の合格率の割合ですが、

実受験者数 合格者数 合格率
161 13118名 3524名 26.9%
160 17448名 3057名 17.5%
159 22626名 6932名 30.6%
158 22711名 5440名 24.0%
157 35898名 3091名 8.6%
2級受験者データ(商工会議所)

第157回の合格率をみて一瞬ギョっとなった人もいるんじゃないでしょうか。1桁台って・・・。ただそれからは合格率もおおよそ20%は超えてきてるのが現状です(第160回を除いて)。

私も勉強開始前にこの数値を見た時は「自分はこの合格者の枠に入れるんだろうか」って正直思いました。こんだけ低いことが分かってるなら、はなから勝負を挑まないほうが悔しい思いをしなくて済むし、大量の勉強時間を消費しなくてもいいし・・・そんなふうに思いました。

でも同時にこういう考えも浮かんだんです。

合格率が低い、受験者数も多いってことが逆に価値を見出せる

資格というのは以下の2つをアピールできるものだと私は思ってます。

  • 学習能力
  • 目的達成まで努力する能力

例えば企業の面接にしたってこういった形で頑張りを査定してもらえる場合もあるわけです。これって結構メリットあるリターンだと思いますよ。

まあ物は考えようですね。この合格率を見て何を思うか?それはあなた次第です。

「資格の価値」をもう一度見直してみよう。

TIPS 簿記2級だけの合格率を見てもなんだかパッとしない、別の資格で難易度を比較できないの?という方はこちらの記事も参考にしてください。TOEICと比較しています。

≫簿記2級とTOEIC700点のレベルを実体験を元に比較

簿記2級から新たに出てくる専門知識のとっつきにくさは本当【連結会計や工業簿記】

専門的になればなるほど普段の思考から連想できる記憶回路が使えなくなります。つまり日常生活であまり使う場面がないためイメージがしにくく、記憶にも留まりにくいということです。

連結会計や工業簿記も加わったことによって総じてこの「とっつきにくさ」が増しました。これは特に独学で挑もうとしている受験者にとってはつらいものがありますよね。

連結会計は「親会社」と「子会社」等の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書等)を連結(つないで結ぶ)する会計となります。

ひとつにまとめて表として完成させなければいけないため、何度か修正仕訳をしていかなくてはいけません。正直「手間」です。

工業簿記は主に製造業で使われます。なので考え方がもうそっちよりなんです。一般の人が工場内に入ってそのフローをみることってそうそうないですよね。

商業簿記よりも結構閉じた世界という感じがしてこれまた初見者としては崩しにくい分野です。

まとめると世間で言われている難しさは実際に受験した私から見てもまさにその通りと言えました。

専門知識の大量インプットはやっぱり必要。

2度に渡る簿記2級受験で実際に私が「難しい」と感じた点

推し量る

私自身、今まで数ある資格を取得してきたことはこのブログでも何度か紹介してきましたが、その中で比較しても簿記2級はとりわけ難しいと感じる部類でした。

実際に「日商簿記2級」を受験をしてみて

実際に私は簿記2級をネット試験で2度受験しています。1度目は不合格で2度目で合格しました。

試験時の様子をここでちょっと紹介してみます。

本番試験の難しさ
  • 2度受験したがどちらも全部解き終わることはできなかった
  • 想定した大問ごとの時間配分が全部追い付かなかった
  • 全く太刀打ちできない問題があった
  • 連結会計は半分くらいしかできなかった
  • 第1問の仕訳は簡単だと言われているが1題以上ミスってる
  • 工業簿記は解けることはできたが40分くらい時間を使ってしまった(試験は全体で90分)
  • 原価計算時に数値のつじつまが合わなくなってしまい混乱した

分かってても時間がないから解けない・・・そんな場面がいくつかありました。どういうことかというと、

例えば第1問なんかは点を取りやすい設問だから速攻取り掛かるわけです。勘定科目を思い出し、借方と貸方で対になるものを並べ計算し、つじつまを合わせていく。

そんなとき、ちょっとでも悩んで間が空くとそれが積もり積もってタイムロスとなります。私がそうでした。

結果的に第1問の想定時間配分が大幅に遅れ、後の第2問以降の時間が削られ、物理的に解けないというハメに。

さらに言えることは簿記は他の資格と違って主に数字を出していくことが求められます。となると場合によってはある数字を間違うだけで雪崩式に他の問に影響がでてしまいます。

なのでそれも考慮するとやはりしっかりとまとまった考える時間が必要になってきます。でもそれができないから「難しい」となります。

試験は時間管理が大切。でもそこが難しいところでもある。

実際に長期間勉強をしてみて

では次に、勉強中はどうだったかについて述べていきます。

私は簿記2級を取得するまで3か月と数週間かかってます。勉強していて難しいと感じたことを何点か挙げていきます。

勉強時の難しさ(商業簿記)
  • 商業簿記と工業簿記という頭の切り替えが要求される点
  • 勘定科目が多くその分記憶と整理に時間がかかった(やたら名前の長い科目もあったり)
  • 計算式そのものを覚えるのもそうだが、どのケースでそれが使用されるか覚えるのに苦労した
  • 仕訳が終わった後にそれぞれの数値を損益計算書に埋めていく作業が面倒
  • 有価証券の区分と、期末評価の仕方が中々頭に入ってこない
  • 前受、前払、仮払、未払などの区別がごっちゃになる
  • 鬼門「連結会計」が勉強に時間がかかる割に頭に入ってこない(あまり興味のもてる内容でもない)
  • 本支店会計の本店、支店それぞれのお金の流れを区別していくとき混同する
勉強時の難しさ(工業簿記)
  • 工業簿記では原価計算の種類が多く、内容も似ているため、勉強中にどこの何を解いているか迷子になる
  • BOX図を使った計算が便利だけど手間
  • パーシャルプラン、シングルプランなどの仕掛品勘定の記入方法の違い
  • 1題を読み解くまでが長い
  • 資料を見て判断するが結構情報としてはそれだけ?って感じ
  • 予定配賦額の算定で計算ミスが目立った
  • 工業簿記にどっぷりはまっていると今度は商業簿記を忘れる

商業簿記、工業簿記の個人的総評

さて、前章の内容をひとつひとつ説明していきたいところですが、それをしていくと長編小説並みに先が遠くなるので軽くまとめます。

私の率直な意見として、先ほどの「難しさ」を元に結果としてどういった状態になるかというのを述べると以下になります。

  • 商業簿記:連結会計は言われている通り難しい。他も3級以上に突っ込まれているので勉強時間がどうしてもかかる。
  • 工業簿記:覚えた計算方法を適切な場面で使う必要があるため脳内整理が難しい。パッと問題を見て解き方を知らないとその設問まるごと落とす(一気に点数が削られる)。

全体を通して商業簿記は勉強時間がかかり、工業簿記は脳内整理が難しいという結果となりました。

商業簿記はなんでそんなに勉強時間がかかるか?それは単純に覚える量が多いからです。勘定科目にしろ仕訳の種類にしろ、スラスラとこなしていくまでにはある程度のまとまった時間を確保しなくてはいけません。そして最後には「連結会計」が待っています。

工業簿記の脳内整理が難しい理由、それは原価計算の種類が多く区別がしにくい・・つまりどの武器をどの場面で適切に扱うかの見極めが分かりづらいということです。そして結果的に「資料」を読み解けないと大幅な失点となります。

実際に簿記2級を独学で勉強し、2度受験をした中で総評するとこういった結果となりました。

それなりに勉強時間がかかることは覚悟する。

じゃあどうする?難しさを回避する方法【満点だけが合格ではない】

自ら難しくする

簿記2級は全てが全て難しいわけではないです。普通に数こなして記憶に残し、テストでそれを発揮すればよい問題もあります。そういった部分をとにかく確実にして合格を目指すというのもひとつの戦略です。

日商簿記2級は70点以上が合格

私だって実際の本試験に挑んだときは万全の態勢で挑んだわけではありません。不安要素を抱えながらのぶっつけ本番でした。ただ確実に答えられるという自信のある問題もたくさんありました。

試験は8~9割分かればいいや」の精神で臨み、結果合格できました。

日商簿記2級は100点満点中、70点以上を取ることができれば合格となります。

この条件が分かっているのであれば上手く利用するべきです。

自分からわざわざ難しくしようとしてないか【ターゲットを決める判断】

何も戦略を立てずにただ全てのカテゴリーを100%満遍なく勉強する必要があるのだろうか、と私は思います。

例えば「連結会計」が難しいからといって延々その問題ばかりに時間を割き、他の問題に手を付けないのは考え物です。

実際に私が試験に挑んだ際は最終的に「連結会計」の本質を掴めないままの状態でした。結果的に部分点をとることができたので点数としては「そこそこ」でしたが他の大問で点数で稼ぐことが出来たので7割を超え、合格となりました。

連結会計が出てくる第2問は配点としては20点ですが最後までいけなくても部分点で稼ぐことも出来ます。

ここで仮に12点しか取れなくても(-8点)、散々時間をかけて悩んだあげく見返りとして得点があまり期待できないのであれば別の問題に移った方が良いです。

勉強にしても同じことがいえて、とりわけ難しい問題に固執しすぎて勉強時間をかけるより、要所であきらめて他の問題に力を入れても良いんです。

問題を解くことも重要ですが問題の優先順位を選ぶことも戦略として重要です。自分からわざわざ勉強を難しくしようとしてないかよく見極めてみて下さい。

試験にしても勉強にしても熱中していると我を忘れてしまいます。そういうときは一度「俯瞰的視野」に立ち戻り、臨機応変に戦略を立て直していきましょう。

必要に応じて戦略を組み立て直す。

簿記2級の試験や勉強方法には人によって効果的なルートがある

ほどよく勉強

1次的情報だけでがむしゃらに行動するだけじゃなく、他の色々な選択肢を利用して目的達成のために動くことも重要です。

日商簿記2級はネット試験でも受けられる

日商簿記2級の試験は2タイプの受験方式があります。

  • 統一試験
    • 方式:筆記試験
    • 試験日:年3回の全国統一日
    • 場所:試験会場で受験
  • ネット試験
    • 方式:テストセンターに設置されてるパソコンに解答を入力
    • 試験日:随時。センターの空き具合次第
    • 場所:商工会議所が認定する全国の施設(テストセンター)

日商簿記2級は統一試験の場合は年3回ですが、ネット試験の場合はセンターの予約の空き具合次第で随時受験することができます。

私は断然ネット試験をおすすめします。なぜならネット試験は受験機会を多くつくれるからです。

人間忘れやすい生き物です。

受験して不合格だった後に落ち込んでしまってその間ブランクが発生してしまうと、思い出す作業で勉強時間が余計増えることに繋がります。

また、実力はかなりあるのに予想してた問題が全く外れたり、見たこともない問題が出たとかだったりするとその試験では落ちても内容が変われば合格できるなんてこともあり得ます。

であれば早くもう一度受験できたほうが断然良いですよね。

またネット試験はその場で合否が分かります。「受験が終わったそのPC画面で」です。

一刻も早く履歴書に日商簿記2級取得の文字を書いて面接でアピールしたい方にとってはとても好都合ですよね。

※もっと詳細を知りたい方は以下のリンクより

≫日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験について【商工会議所の検定試験サイトより】

独学を充実させるためにオンライン講座を受けるという選択肢も【スタディング】

独学というのは結構孤独なもので、自分の判断だけで学習していくということに不安を感じる人も居るかと思います。

でもだからといってどこかに足を運んで教室のようなところで講座を受けるというのも「体力」と「時間」が要ります。社会人にとってはあまり削りたくない要素ですよね。

で、あるなら電子媒体に長けているオンライン講座に頼るのも一つの手だと思います(料金はかかるけども)

例えばオンライン講座スタディング。スマホやタブレットで受講できるので「移動時」の隙間時間にも利用できるし、なんなら仕事終わって疲れているときなどは寝転がりながらスマホで勉強なんてこともできます。

「最近かしこまって机に向かい勉強するのが億劫だ、でも勉強は続けたいし」なんて方には適格な講座なのではないでしょうか。

「あらゆる手段が有る」ということを知っておく。

まとめ:簿記2級が難しいからこそそれに対抗できる策を捻りだす

簿記を効率よく進める

勉強に対して「受け身」になっていないでしょうか。私が思う受け身というのは、

特に何も考えずなんとなく1から10まで順番通りに進めたり、昔からやっている一つの方法だけに固執したりする。

そんな行動です。

勉強の難しさに行き詰ったら、勉強方法そのものを変化させてみたり、試験であれば効率よく合格するにはターゲットに対する力加減をどう変えていくかetc。やれることは沢山あります。

視野を広く取ってあらゆる策を学習に投入してみることです。そして逆に要らないものは捨てることも考えてみてください。

それがきっとマンネリな学習への良いスパイスになるのではないでしょうか。

★簿記2級に関するトータル的な記事は以下で解説しています。長い学習期間を乗り越えて簿記2級取得を目指しましょう。

≫【簿記2級ネット試験】独学で資格取得を目指すロードマップ

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