ビジネスホテルでのフロント夜勤の仕事ってきついのかな?
以上のような、ビジネスホテル「フロント業務」はキツイかどうかの質問についてお答えします。
この記事を書いてる人の経歴
接客歴は10年以上。その中でビジネスホテルでのフロント経験は7年以上(主に夜勤)あります。内、転職を3回行っており、経験したホテル数は3つです。客室数が80室などの少ないところから200室以上のそれなりに規模はあるホテルに勤めました。
※これらの経験を元に記事を書いています。あくまで著者自身の主観に基づいた一意見なので全て解釈一致するわけではありません。一参考記事としてご覧いただければ幸いです。
ホテルフロント未経験の方にも分かりやすいようになるべく専門用語は使用せず記載しています。
ホテルフロントの仕事はきついのか?まずは夜勤の流れを知る
先にも述べましたが、私は3つのホテルフロントの夜勤を経験しています。
そこでの業務の流れを大まかにまとめ説明していきます。
15:00~チェックインから深夜0:00までの流れ
私が経験したホテルはどこも15:00チェックインでした。おおよそ、ビジネスホテルはその時間帯に設定しているところが多いです。
夜勤である私はそれよりも少し遅れて16:00かもしくは17:00から出勤。そして終わりは翌朝の8:00、もしくは9:00か10:00での退勤となります。
これだけ見ると拘束時間が長いですね。とはいえ明け休みというのがあるので、ひと月単位で見るとそこまでギチギチに詰まっているというわけではありません。その点は後ほど説明します。
では流れを簡易的に一覧として説明します。
- 15:50日勤から引継ぎを受ける
出勤したら日勤から業務を引き継ぐ。例えば今日チェックインに来る、もしくはすでに滞在しているお客様において特筆すべきことはあるか、etc。
- 16:00~チェックイン業務
チェックイン手続き。料金収受。
- 内線&外線対応
客室からくる内線対応。予約の問い合わせ等の外線対応。
- 予約管理&翌日予約分の部屋割り
ネットで出しているプランなどの調整。各サイトから来る新規予約の編集。翌日にチェックインしにくるお客様の各部屋タイプごとの部屋割り。※部屋割りっていうのは何号室~のようにお部屋を割り振るってことです。アサインとも言います。
- 0:00~売り上げ確定/締め
当日分の売上の確定処理。レジ締め。
0:00からの作業~チェックアウトまでの流れ
だいたい日付を跨いだ0:00付近でその日の売上を確定させます。要は「締め」ですね。では0:00から最後までの流れを簡易的に説明していきます。
- 0:00~売り上げ確定/締め
当日分の売上の確定処理。レジ締め。
- 領収書作成
領収書を各部屋分まとめて作成する。ホテルによってはチェックイン時に1人1人渡しちゃう時もある。
- 清掃指示書作成 & レストラン(朝食)担当へ情報共有
日中に清掃担当がお部屋を清掃するのでそのための指示書を作成する。例えばどの部屋を掃除するのか、それともしないのか。この時間帯はお部屋に入ってほしくない等、そういった特記事項を書いた指示書を作成する。フロントからの情報を清掃担当へバトンタッチするような感じ。
レストラン担当へ朝食件数、特記事項などを伝達する。
- メールやFAX処理
お客様からの要望等は電話以外にメールやFAX経由でくることもある。大抵は団体予約に関連するモノが多い。
- ○○仮眠○○
休憩。ごはんも食べたり。
- 7:00~チェックアウト業務
チェックアウト手続き。また一時的にお客様のお荷物を預かったりなど。
- 日勤へ引継ぎをする
夕方~夜間で起きた出来事、業務上の必要事項を共有、引継ぎをする。
これ以外にも事務的な仕事は諸々あります(フロントが行なう清掃もしかり)。
個々のホテルの客室数(規模)によって夜勤の実働人数も変わるし、勤務体制(時間)によっても休憩時間が変動したりします。
ホテルフロントで著者が「この業務キツイわ~」と感じた部分3つ
ここからが本題。業務の中で何がキツイのか??そりゃあ仕事ですから沢山あります。でも文章長くなっちゃうんで3つに厳選します。
まず大枠でカテゴライズすると、ダントツでキツイのは「内線対応」ですね。
① キツイと感じた業務ダントツ1位「内線」
内線というのは「お客様がお泊りされている客室から電話でフロントへかかってくる内線」のことを指します。
この内線、ほぼ半数はクレームです。例えば、
- 備品がない
- 部屋の電気がつかない
- 冷蔵庫が冷えない
- テレビがつかない
- エアコンの調子が悪い
- タオルがない
- 水回り&ベッドなどの清掃不備(例)髪の毛が落ちているetc
- 部屋が臭い
※内線ではクレームの他に、館内に関する質問、宿泊延長などもあります。
こういったクレーム類は挙げたらキリがないです。しっかり謝罪を行ない、改善に努めなくてはいけません。
しかしここでいう「内線対応キツイ」は実は内線単体だけを指すのではなく、
内線対応をしつつ、フロントを守り切ることにあります。
“内線対応者”という人物がドカっと構えているわけではありませんし、そういう部署もあるわけではありません。
フロント担当自身がアレもコレもするんです。お部屋に不具合があれば実際にお部屋に出向くわけです。そうなると当然フロントの数が減りますよね。そんなときチェックインで混んでたら・・・アアアアってなる。
この負担と労力が著者はキツイと感じました。
確かに日中はフロントの他にも事務所に他の従業員&管理職の方がいるので内線を取ってくれる時もあります。ですがおおよそ19:00以降は日勤者も帰り、頭数が減っていくので夜勤フロントの負担が増えるわけです。
なのでホテル夜勤業務に興味がある方は「夜間は何人体制で仕事を行なっているのか?」ここらへんは見るべき重要な点だと私は思います。不明な場合&あなた自身が不安な場合は面接で聞いてみてもいいかもしれません。
② キツイと感じた業務「チェックイン」& そこから発展するイザコザ
「受付が混むと大変」というのはどの接客業でも変わらないと思います。チェックインもその1つです。大変ではありますが、それでもいかに待たせずスムーズかつ正確に料金収受、館内案内などできるかが重要です。
ここでの難しい問題はチェックインに付随してくるお客様との認識の違いで起こるイザコザです。
- 朝食付きプランを予約したはずだが・・・なんで素泊まりになってるの?
- 2部屋頼んでたけど1部屋CXLしたい(当日CXLは料金かかることを伝えなくてはいけない)
- 全国旅行支援などでの認識の違い(例)全国割を使う場合は、当日お客様側で身分証の提示等が必要になるのだが、「そんなこと聞いてないぞ」といった形で話がかみ合わないことがある
正直これだけではありません。ほんの一例です。
チェックイン自体はある程度のフレーズを覚えればお客様を案内できるようになります。ですが、そこは人間対人間なのでときに食い違いが起きることもあります。その点、いかに上手に説明、納得のいくように対応できるかがカギでもあり、キツイと感じるところでもあります。
確かにチェックインで混むと対応はキツイ。でもそれ以上にお客様との認識のズレを埋める作業もキツイってわけです。
③ 新規予約編集
新規予約はあらゆるサイトからネットを介してホテルへと流れてきます。ですがそのままだと現場のシステム的には不十分&フロントが分かりにくいのでお客様が来るチェックインまでに編集します。
拍数、金額、部屋タイプ、朝食有り無し、チェックイン時間、特記事項等々。全てが分かりやすいように編集作業を事前にして備えます。これがまあまあキツイってわけです。
特に人気のある日にとかだと何週間も前から予約通知が来るのでその編集対応に追われます。これをフロントの仕事の傍ら行っていくので忙しい日に重なるとキツイ・・・ってなります。
【番外編】 深夜勤務体制におけるコンディション調整
夜勤って聞くとやはり勤務時間も気になりますよね。これに関してはまさにその思惑通りで、とにかく日を跨いで仕事をすることもあり1回の出勤当たりの拘束時間が長いのは間違いないです。そりゃあ体調に影響が出ることもあります。
ただ私の場合は(最初はきつかったけど)段々と慣れることができました。この影響の大きい小さいは人による(個人差がある)としかいえないですね。
また私が働いた経験のあるホテルにおいてはだいたい夕方くらいに出勤して翌日の9時頃退勤となりますが、しっかりその日は明け休みを取ることができたので、そこまでギチギチに仕事をしてるってわけじゃありませんでした。
ちなみに明け休みっていうのは、例えば・・・
月 | 火(明け休み) | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
夕方16:00出勤~ | 朝10:00退勤 | 夕方16:00出勤~ | ・・ | ・・ |
↑でいう火曜日のことを指します(少なくとも私が経験したホテルではそう呼んでました)。明け休みの火曜日の朝10:00に退勤し、次の日の夕方16:00前まで自由な時間がある、って考えればいいです。
そしてもちろん明け休みだけでなく、合間にホントの全休も入ります。★仕事・明け休み・仕事・明け休み・休日・仕事~といった流れで。
なのでコンディションを意外とまとまったプライベート時間も取れます。まあでもココはホテルによっても違うので明け休みと休日がどのようにシフトに組み込まれているかしっかり吟味することは重要だと思います。
個人的にはこういった明け休みや休日をしっかりもらえたからコンディション調整ができたと感じています。
【まとめ】結局ホテルフロントの仕事はキツイのかについて私の見解
これまで「ホテルフロントの仕事はきついのか」についてまとめてきました。今回の大枠を挙げると、
- 内線対応がキツイ
- チェックイン時に起こるイザコザがキツイ
- 新規の予約編集がキツイ
- 深夜勤務体制におけるコンディション調整の難しさ ➡ そのホテルの明け休みや休日の如何で変わるし、また個人差もある
上記のようになります。
では究極のところ、ホテルの仕事はキツイだけなのかについて私の最終的な見解はどうかというと、
確かにキツイ。でもそのキツイ部分の対処の仕方、立ち回りを覚えて慣れてくれば仕事が楽になっていくのが分かったし、迷いなく業務に向かえた。
勤務体制➡コンディション維持においては「明け休み」や「休日」がしっかりしてるところならその難しさは軽減される。よって仕事を選ぶときはココを重要視したほうがよい。
ただし夜勤でずっとやっていくことは長い目で見ると(勤続年数を重ねると)、ジワジワと体力的ダメージは蓄積されていくとは思う(夜起きてるわけなので)。この辺をどう折り合いつけていくかをしっかり考えることは必要。
上記の通りです。
キツイかどうか、キツくなるかならないかはホテルにもよるし、個人個人の考え方にもよります。ただメンタルや体調が健康で居られるような環境はまず第一にあるべきだと思います。
以上、ここまで読んでくれてありがとうございました!