販売士(リテールマーケティング)の資格を取ろうと考えているんだけど何級から受ければよいのか迷っている。
これから小売店などへ就職を考えている人は、この【販売士】(リテールマーケティング)の資格が気になってるのではないでしょうか?
実はこのブログを書いている私も店内販売系(いわゆる小売店)の仕事は5年以上経験があり、この資格に関してはメチャメチャ興味を持っています。それはなぜか?
業界経験者の私が見ても、「数ある資格の中でこれだけ分かりやすく小売系や販売に特化した学習モノって中々ない」、そう思うからです。
「販売士」の資格を通して「小売~販売」を学ぶことは、これから流通業界へ入っていく入門者にとってとても有意義なことだといえますね。
ではそれが分かったところでじゃあ【販売士】って何級を受ける(目指す)のが良さそうなの?っていうのを私なりにまとめていきたいと思います。
販売士(リテールマーケティング)は何級から受けるとよいのか
まず受ける上での前提として以下の情報が挙げられます。
① 販売士(リテールマーケティング)はどの級からでもチャレンジOKで、誰でも受験可能。
② 3級、2級、1級をそれぞれ個別で申し込むことができる(併願的な話)。
②に関して補足説明します。
販売士(リテールマーケティング)は2021年よりネット試験へ移行となっています。
ネット試験(CBT方式)ではテストセンター、つまり全国各地の会場で予約枠に空きがあれば、自分で試験会場、受験日を選択し受験可能です。
今まで年に数回しか受験チャンスがなかったのが、ほぼほぼ自分の都合に合わせて(予約枠満席以外は)試験を受けることができるのでかなり便利になっています。
受験の予約をするにはCBT受験者用のマイページへログインする必要があります。
そしてそこで3級、2級、1級の各級をそれぞれ個別で申し込こめば、テストセンターの空き次第で同じ日程、もしくは近い日程で試験を受けることができます。
※ただし同一日に同じ級を重複して予約したり、また複数日に1度に同じ級を予約することはできません。例)11/3の午前に3級申し込んで午後にも3級申し込む。11/3に3級申し込んで11/5に3級申し込むetc。まあ1回で合格するつもりで挑むでしょうから,こういう考えの人はあまりいなそうではありますが。
※また、「試験日の翌日から次の予約が最短3日以降で可能」となっています。なので受験して不合格だった場合に再受験する場合は3日以降は待たなくてはいけないということになります。
詳しくはこちら(公式)を参考にしてください。
▶ 販売士の概要と受験申込方法【日本商工会議所WEBサイト】
では前提を明らかにしたところで、「販売士(リテールマーケティング)は何級から受けるとよいのか」を以下の流れで説明していきたいと思います。
- 販売士各級の試験項目を簡単に整理
- 各級の合格率を確認(難易度)
- 各級のおすすめ受験対象者を分析(小売業界経験者の目線で)
頭の中のモヤモヤしたものをクッキリと整理し、全体像を先に理解してから自分に合った「級」を見極めていきましょう。
販売士(リテールマーケティング)「3級」「2級」「1級」の概要と違い
では気になるところから整理していきます。
※これから取り上げるのはネット試験(CBT方式)に関する情報になります。
「3級」も「2級」も「1級」も出題科目は一緒
出題科目は以下。
- 小売業の類型
- マーチャンダイジング
- ストアオペレーション
- マーケティング
- 販売・経営管理
【注意】カテゴリー的に一緒ってだけで、その中の出題内容(レベルなど)はもちろん違いますよ?
1科目20問。5科目合計で100問。これは各級同じ
「3級」、「2級」、「1級」ともに問題数は同じです。
3級と2級:1科目あたり「正誤択一式」が10問。「穴埋択一式」が10問。
➡「正誤択一式(10問)」×5科目 +「穴埋択一式(10問)」×5科目 =合計100問。
1級:1科目あたり「穴埋記述式」が10問。「穴埋択一式」が10問。
➡「穴埋記述式(10問)」×5科目 +「穴埋択一式(10問)」×5科目 =合計100問。
3級と2級の問題形式は一緒ですが、1級になると記述問題が入ってきます。これは大きな違いですね。
✔ 正誤択一式というのは、例えば与えられた文章があってそれについて正しければ〇、間違っていたら×を選ぶような問題。
✔ 穴埋択一式は、例えば与えられた文章の中に空欄があって、その中に当てはまるワードが何かを選択肢から選ぶような問題。
✔ 穴埋記述式は、例えば与えられた文章の中に空欄があって、その中に当てはまる語句もしくは短文を自分で考えて入力するような問題。
試験時間は3級「60分」、2級「70分」、1級「90分」
余談ですが、2021年に販売士試験が「ネット試験」に変わる前の「ペーパー試験」に比べ、大幅に時間が短縮されています。
時間の無さを考慮すると、全く分からない問題にぶち当たったら無駄に時間かけずに次々進んだほうが良いです。※ネット試験とはいえ前の問題に戻ることはできます。
特に1級の記述問題なんかは頭から出てこないモノはもう出てこないので、解ける問題を優先し、後々余った時間で一生懸命記憶を振り絞れば良いと思います。
合格基準:3級と2級は5科目の平均点が70点以上、なおかつ1科目ごとの得点が50点以上
合格基準:1級は各科目70点以上
得意科目で他をカバーするということはやめたほうが良いでしょう。満遍なく学習することが大事です。
各級の難易度を合格率から紐解く
各級の難易度を合格率から紐解いていきましょう。
【3級】
期間 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023.4.1~2023.6.30 | 990名 | 633名 | 63.9% |
2022.4.1~2023.3.31 | 8,981名 | 5,130名 | 57.1% |
2021.7.28~2022.3.31 | 8,894名 | 5,607名 | 63.0% |
【2級】
期間 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023.4.1~2023.6.30 | 1,038名 | 563名 | 54.2% |
2022.4.1~2023.3.31 | 6,374名 | 3,531名 | 55.4% |
2021.7.28~2022.3.31 | 5,655名 | 3,136名 | 55.5% |
【1級】
期間 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023.4.1~2023.6.30 | 205名 | 42名 | 20.5% |
2022.4.1~2023.3.31 | 1,033名 | 218名 | 21.1% |
2021.7.28~2022.3.31 | 795名 | 137名 | 17.2% |
単純に合格率=難易度と考えた場合、
3級が一番簡単。次点で2級が難しい(約10%差)。圧倒的に難しいのが1級。
上記に掲載した合格率は【ネット試験】の結果となっています。販売士(リテールマーケティング)の資格は元々「統一試験」といって、いわゆるペーパー試験(紙に記入する)だったのですが、2021年の7月28日より【ネット試験】へ移行となりました。
よく誤解されやすいのですが、ネット試験というのは自宅のパソコンにネットを介して受験するものではありません。全国各地に設置されているテストセンターという会場に足を運び、そこにあるパソコンを使用して受験するものです。問題文は画面をみて、解答は打ち込んで・・といった形になります。
さて、上記の合格率指標を見るとここ最近の受験者数減ってない??って思わず感じてしまいそうです。ですがコレ、単純に期間が「2023.4.1~2023.6.30」と、取ってるデータがまだ最新で3か月と少ないってだけです。
だからなおさらというか、1級受ける人は過去を見てもマジで少ないですね。
そこまで時間をかけて難問に挑む努力と、大量の勉強時間を割く意味を考えるとそうなってしまうのも当然かなと思います。だって資格の他にもやることあるだろうし。
それに2級まであれば十分って言う人も多いようです。
【補足】他の人気資格と受験者数を比べるとどうか?
【簿記3級】や【秘書検定3級】を取り上げると最新の受験者数は以下です。
簿記3級(ネット試験) 2023年4月~9月 受験者数 102,672名
秘書検定3級(筆記試験) 2023年6月18日 受験者数 7,565名
期間としてのデータ量がバラバラではありますがある程度参考になるかなと。
もっと詳細に知りたいという方は下記の資格受験者データのリンクから↓
▶ FP技能士技能士の取得者数及び試験結果データ【日本FP協会】
それでは次にこの記事のメインである各級におけるオススメ対象者を説明していきます。
接客や販売の基礎を学ぶ入門として受けるなら3級(学生や未経験転職など)
売り場で接客・販売経験のない人は、科目である「ストアオペレーション」と「販売・経営管理」の部分がメッチャ勉強になる
3級(2級にも言える)の内容で特に身になる部分が「ストアオペレーション」と「販売・経営管理」です。売り場の販売担当として前提かつ有益な知識が身につけられる、実際の経験者目線からもそう感じました。
例えばストアオペレーションでは売り場の陳列に関することを学ぶので、売り場販売における基本作業「品出し」に影響してきます。「販売・経営管理」では接客マナーや言葉遣いなどを学びますので、これもまたお客様と直に接するための実務知識としてとても重要になってきます。
2級に比べ、頭に入ってきやすい内容的だし、勉強時間もそこまで取られることはないと思います。接客も初めて、店舗アルバイト経験もなし・・・そこから色々学びたいと考えている学生の方、もしくは未経験による転職を考えている方におすすめできる級です。
ただ未経験転職でもっと評価につなげたいと考えるなら次に説明する2級を取っておけば安全パイだと思います。
流通&小売の全体像をもっと知る&売り場の管理者にも興味があるなら2級
2級では店舗や売り場を管理、取り仕切るレベル、能力が求められます。
3級と内容(方向性)などが似ている部分はありますが、3級と比べると「販売員レベル」➡「管理者クラスレベル」とステップアップしているので覚えるための勉強時間は多くなります。
店舗運営に関して大局的、包括的に知識や体系を学べるのに加えて、店舗従業員の役職者が普段どういった目線で管理しているのかなどさらに深く知るとができるのではないでしょうか。
ここでちょっと私の経験をば。
売り場で2年働いていても、正直繁忙期などは納品量やお客様の来店数がすさまじく(店舗にもよる)、とにかくやっつけ作業で何かを学ぶという機会があまりありませんでした。
そうするとどうなるか? ➡ 視野が狭いまま年数を重ねていくだけになってしまうんです。自分にとっての作業スピードは経験によって上がるけど、得られる能力が限られてしまいがち。
自分自身をステップアップさせていくためには、もっと多角的な視野で売場や店舗全体の運営を見ていく必要があります。そのために2級を学習することはとても理にかなっていると私は思います。
またもう若いうちにいずれ上にいこう(昇格)と考えている人、もしくはあなたがまだ転職前とか就職前なら、時間の余暇があるうちに予習として一足先に2級を学んでおき、販売の深いところをつぶさに味わっておくのも一つの手かもしれません。
すでに業界に居てさらなる高み(店長や経営者)を目指すなら1級
すでに販売士の内容に関連した業界に居る場合、もうそこでの熟達した知識が飽和している状態なので販売士1級でも興味を持ちやすく入っていきやすいでしょう。
とはいえ座学で使うような専門用語などは実務では聞きなれなかったりする場合があるので、勉強はしっかりと行う必要はあります。
逆にそのような状態にないのであればまずは2級を取得し、販売士の試験に慣れたうえで1級を目指したほうが良いです。※ネット試験に慣れる意味でも
巷では1級は最低でも100時間といわれ、また私の聴いた話では250~300時間かけたという人も居ます。
これって自分の環境によるところも大きいと思うんですよね。
例えば現在勉強する必要があるのは「販売士」だけでよく、学業や仕事もそこまで忙しくない、集中して勉強にとりかかれるというならば100時間以下でもいけそうです。
でも何かメインが忙しく、片手感で勉強するとするならば、記憶の保持が難しいのとモチベが上がらないのとで200~時間超えはありそうですよね。(特に完全独学の場合)
まとめると、考える要素は以下の数点。
- 【勉強時間の確保】
- 【今の環境における必要性】
- 【モチベの維持】+【高みを目指すという確固たる意欲】
これらがあれば20%台である合格率を乗り越えられるのではないかと私は思います。
小売業界経験者から言わせてもらうと履歴書にはどの級から書いても良いと思う(ただし)
何級から履歴書に書けるモノなのか?で悩んでる人も居るでしょうが、私(小売業界経験者)から言わせてもらうと正直どの級から書いても問題ないと思います。
確かに2級から受験して、2級のみ保持もアリっちゃあアリです。2級をとりあえず取得していれば販売士資格の評価としては御の字といった気はしますし、気持ち的に安心するといった人も居るでしょう。で、あればそれでOKです。
世間一般的には3級は書かないほうが良いとか、仮に2級以上を書いてもそこまで評価されないよといった意見が飛び交っていますよね。
それは確かに都会の超大手企業などであればそういうことがあるかもしれません。でも私が働いていたところ(地方ではそれなりに有名な販売店)では実務経験ではない資格といえど、「見る」ところではありましたよ。
なんでかっていうと実際の現場って結局最後に「興味ない」とか「続かない」とかで辞めていく人がかなり居るからです。他にも接客が超苦手だったり、お客様のほんのちょっとした言動でもイライラしてしまうとかそういった感情的なモノにまつわるのも多い。
そうなってくると、新しい人を採用する際、意外とその人のバックボーンより人間性の方に重きを置いてくるようになったりします。そしてその人間性の中にはこの仕事に興味をもってくれそうかなって気持ちが含まれているんです。
そんなとき販売士の資格があったらどうでしょう。他の全く業界の関係のない資格が並んでいるものよりよっぽど良いし、「方向性が合ってるな」、「興味を持ってくれてる」、「長く働いてくれそうかな」って少しでも感じてくれるんじゃないでしょうか。
採用側も人それぞれなので一概には言えませんが、もし面接中に「あっ販売士の資格もってるんだ~」って聞かれたらそれはチャンスです。なぜ取得したか、どうして販売士なのか、を熱く語ればきっと評価の対象になると私は思います。
私(小売経験者)から見た販売士(リテールマーケティング)を受けるメリット
「中に入っていないモノは外に出ていかない」という言葉を結構昔に先輩からもらったことがあります。要するに自分から出ていく発言やアイディアなどは、それまで積み重ねてきた知識によるものが起因になっているという話。
例えば「売り場づくり」一つとってみても、あなたはどれだけアイディアや視点を発言できるでしょうか?
とにかく売れるものをドカっと置けばよいんでしょうか?売れないモノはずっと売れないまま放置で良いんでしょうか?お客様はどんな目線で売り場を徘徊するでしょうか?
「販売士」という資格を通し、先人の知識や体系を学ぶことで今までの能力がもっとブラッシュアップされ、そこからまた良いアイディアが生み出されていくかもしれません。
単一的なモノの見方だけでは分からないあらゆる視点を生み出すきっかけを作ってくれるのがこの「販売士」における学習であり、その経験はきっと価値のあるものになっていくと私は考えます。